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夏みかん

夏みかん

夕さりの風が 連れてきてくれた君は

まるで 夏みかんみたいだった

生きていることの切実を

集約すると 夏みかんになるんだと思った

ぼくは君のものがたりを聴いた

胸が苦しくて はりさけそうだった

声を出して 想いをとどけることの真実は

ぼくの火の玉だったし

魂だったから 自由になれたことはほんとうなんだ

伝わることはよろこびで

よろこびは 君がつくってくれた

君は 大空そのもので鳥籠なんかじゃなかった

しあわせってそういうもんだと思った

20170509

糸川草一郎